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「人はなぜ心身を壊すのか」というシンプルな問いに答えたいと思いました。

それは、「なぜ人は心身を壊すのか」 を理解したい、それをエビデンス、リサーチ、アナリティクスの観点から実行するという単純な想いでした。

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「人はなぜ心身を壊すのか」というシンプルな問いに答えたいと思いました。

キットマンラボCEOのスティーブン・スミスが、リスクアドバイザーの起源、データを中心にしたチームの結束の価値、スポーツ医学における信頼がもたらす力についての考察を語ります。

リスクアドバイザーの起源、成り立ちは?

私個人としては、15年分の仕事の成果です。 リスクアドバイザーは、キットマンラボの設立当初から夢見ていたものでした。 それは、「なぜ人は心身を壊すのか」を理解したい、それをエビデンス、 リサーチ、アナリティクスの観点から実行するという単純な想いでした。

「パフォーマンスインテリジェンスの時代」についてのお話を伺っていると、常に情熱と謙虚さが感じられます。 リスクアドバイザーの開発で失敗したことはありましたか?そして、 失敗からどのような教訓を得たのでしょうか?

間違った仮定をしていたと確信しています。 誰もが特効薬を欲しがりますが、誰も特効薬が実在するとは思っていません。 スポーツを取り巻く状況があまりにも複雑であることは誰もが知っています。 その複雑さを尊重し、アスリートに実際に何が起こっているかを非常に簡単に理解し、より良い決断ができるようなプロセスを構築したいと考えていました。

当初はすべてのデータ、チーム、スポーツにおいて、特定の怪我は集団で同じように発生すると仮定していました。 しかし、それは正しくありませんでした。 異なる環境で、異なるチームが、異なる方法でプレーし、トレーニングしています。 従ってアスリートにかかるストレス、緊張、刺激により、アスリートの強さ、弱さの違いがあります。

つまり、人間というのは順応性が高いのです。 しかし、マラソンランナーにオリンピック重量挙げの競技をやれと言ったら、その選手はおそらく壊れるでしょう。 彼ら、彼女らは、精密に調整された機械と同様なのです。 当初、私たちが最も驚いたのがこの点でした。 今にして思えば、十人十色の問題など存在しないと考えていたのですが、この考えこそがリスクアドバイザーを特別なものにしています。

他にも多くの企業がこの領域で事業を展開しています。 なぜ、既存のソリューションでは不十分なのでしょうか?

エリートスポーツには、ブラックボックス的なアルゴリズムと、意図的に正しくないことを伝える(スネークオイル)セールスマンが入り込んでいます。 彼らは、非常に断片的な情報を結論として提供する人々です。 たった2つのデータソース(XとY)から関係を導き出し、前十字靭帯損傷の断裂の原因について結論を出すような、既存ソリューションを目にすることがあるでしょう。

人間はもっとずっと複雑な存在だと考えています。 現代のスポーツ界では、アスリートは練習やジム、試合などで膨大かつ多様なストレスや負担を受けています。 身体を壊す理由もさまざまです。

パフォーマンスインテリジェンスの時代において、チームは、アスリートの身体が前述の理由に対してどのように影響するか、膨大な量のデータを収集しています。 Kitman Labsを設立した2008年当時、チームはアスリート1人から年間で約95,000件のデータポイントを収集していました。 現在では250万件を超えてます。

チームには膨大な情報があるのに、それらをまとめて理解する場所がないのです。 リスクアドバイザーの目的は、そのための場を提供することでした。 250万件のデータポイントの中から最も関連性の高いものを抽出し、客観的な洞察を得るために情報を分析し、特定の種類の病態のリスクを高めているのはどのタイミングか、要因を理解できるようにしたいと考えました。 そしてリスクに対処するための意思決定を支援したいのです。

リスクアドバイザーは、すべてを総合的に捉えます。

過去の10年間、マーケットで確認できたのは、『この情報がゴールだ』と言う人たちです。 野球を例に挙げると、昔はバイオメカニクスが中心でした。 ”ピッチャーの動きが分かれば、リスクがあるかないかが分かる”と思われていました。実際にはそんなことはありません。 もしその主張が本当なら、MLBの全チームがすでにバイオメカニクスデータの収集に投資を続けていますので、肘や肩の怪我はなくなっているはずです。 関連するツールは山ほどありますし、特定の技術サービスのどれかが悪いというわけではありません。 事実としてどれもが単独では極めて限定的な結果しか提供できないということです。

結局のところ試合中のピッチャーの動きだけでは分かりません。 彼らはどのようにトレーニングし、どのように休息し、どのように睡眠をとるのか。 リスクアドバイザーのおかげで、私たちは原因と結果、複数の要素がどのように組み合わさると、身体を壊すのか? さらにリアルタイムで認識することができるのでしょうか? を理解することができるようになりました。

これらは全てスポーツ科学の問題でもデータサイエンスの問題でもなく、 ベン図で示した場合の中心にあるような気がします。

スポーツ科学の問題でもなく、スポーツ医学の問題でもなく、 コーチングの問題でもないと認識しています。 アスリートとして行うすべての行動、あらゆる情報、ストレス、緊張、それらすべてが、アスリートのパフォーマンスや故障の可能性に繋がります。 スポーツに関わるメディカルチームの仕事は、発生した怪我の対応に役立つような情報を集めることだけではありません。 練習や試合における影響を正し く理解する必 要があります。

ハイパフォーマンスな組織では、高度なデータの品質と一貫性が求められます。 アスリートのライフサイクルのほんの一部だけを見て多くの見立てをすることはできません。 アスリートに起きていることのあらゆる面を見る必要があります。 したがって、データ収集の責任は関係するすべての人にあり、Rリスクアドバイザーはその責任を果たすための支援をします。

これも、私たちに変化を与えてくれた出来事です。 本ミッションに着手した当初は、『よし、スポーツ医学とコンディショニングのチームを一緒にしよう。実現すればそれこそ夢のようだ!』と思っていました。 しかしながらコーチングスタッフやパフォーマンス、分析スタッフも参加していなければ、全体像を掴むことはできません。

アスリートの日々の活動に置き換えて考えてみてください。 彼らはおそらく15〜20パーセントをジムで、60パーセントをトレーニング場で過ごし、実際の試合には5〜10パーセントしか参加しないでしょう。 練習や試合の情報を見逃すと、非常に狭い範囲の情報しか得られないことになります。 私たちは、アスリートのあらゆる部分を包括的に理解し、誰もがアクセスできるようにしようとしているのです。

リスクアドバイザーは情報を普及させるわけですね。 そこにどのような価値があるのでしょうか?

その価値とは、共通の理解を生み出すことです。 現在、人々はサイロ化された情報の中で動いています。 あるソリューションでは、アスリートの動きを見ることができます。 別のサービスでは、どのように眠ったのか。 さらに別のサービスでは、プレーの様子や体力などを知ることができます。 しかしながら、これらのジグソーパズルをどのように組み合わすことができるのか、理解するのは難しいことです。 中核メンバーとして責任を負っているスタッフ全員が互いの視点を理解し、その結果として誰かの回復力やリスクがどのように変化するかを理解するにはどうすればよいでしょうか?

リスクアドバイザーは、そのような会話を実現するためのものです。かつて断片的だったデータを共有データに変え、共有データを共通理解と俯瞰的な意思決定に変えるのです。 私たちが目指しているのは、この一連の流れです。

あらゆる組織が膨大な量のデータを抱えており、しかもそれが分散している。 たとえ運良くデータが一箇所に集まったとしても、それを組織全体の共通の理解に変えることはできません。 それを実現するのが、リサーチ、アナリティクス、そしてコミュニケーションです。

これらのデータが揃ったところで、プラクティショナー(*実務のプロフェッショナルな担当者=コーチ、スタッフなど)の専門知識はどのような役割を果たすのでしょうか?

プラクティショナーの専門知識が最も重要です。 私たちの提供するソリューションも含めて、どのソリューションも彼らの問題を解決することはできません。 解決するのはこのような問題を解決するためにキャリアを積んできた実務担当者です。 私たちは彼らがよりよい仕事ができるよう、 精度を高めています。

これは他ソリューションとの大きな違いです。私たちはプラクティショナーの作業を自動化するのではなく、目的達成のために支援しているのです。

データを中心にスタッフを団結させ、直感でデータを活かすことができるようにしています。 長年の経験から、解決のための直感を持ち合わせています。 しかし、多くのチームができていないのは、それを数値化することです。 彼らの状態を調査し、検証するためのツールを提供しています。

彼らは何日もかけてデータを集め、研究論文を書いている場合ではありません。 即時の決断をする必要があります。 30分後には練習があり、明日には試合があり、コーチが誰がその試合に出られるかを知っておく必要があります。 決断する時間は、せいぜい数分です。

そして、プロスポーツの世界では、その発生率は高く、 判断を的確に下せるかどうかは非常に重要なポイントです。

多くのスポーツテック企業が、怪我を予知できると言い出したのは、非常に大きな賭けだと思います。 リスクアドバイザーは怪我を予測できますか?

「予測は不可能」だと考えています。 一方でリスク評価を信じています。 エリートスポーツのデータセットが優れているように、人間は非常に複雑です。 しかし、人間はスーパーコンピューターではありません。 何が起こっているのかをできるだけ事実に基づいて理解する必要がありますが、そこには常に偶然の要素があります。 リスクアドバイサーは、アセスメントが実際にどの程度信頼できるものであるかを理解するのに役立ちます。

明確にしておきたいのは「リスク予測」ではなく、「リスクアドバイザー」です。 定量的なアドバイスを提供することで、プラクティショナーの方々に自信を持っていただけるようにします。 まずは私達が積み重ねてきたエビデンスを用いて、どれだけ信頼できるかを理解してもらいたいのです。 私たちは、 水晶玉を持ってここに座っているわけではありません。

信頼性について詳しく教えてください。 リスクアドバイザーを用いて信頼関係はどのように築かれるのでしょうか? ある種の関係性における信頼の役割は何ですか?

信頼は不可欠です。 スポーツ医学の責任者の1日を見てください 複数の関係者が彼らに絶大な信頼を寄せています。 コーチはプレーヤーが何ができて何ができないかを知る必要があります。 アスリートは自分に何が起きているのかを理解する必要があります。 自分の身体は自分の仕事に直結します。 現代のスポーツドクターの役割として、彼らのキャリアはすべてのステークホルダーの信頼を中心に回っているのです。それが彼らのキャリアの基本なのです。

つまり、アスリートやコーチとの会話の中で使える情報を提供し、より早く信頼を獲得し、より長くその信頼を維持できるように、リスクアドバイザーを構築しました。

トレーナーは、あるアスリートが昨日と今日でリスクが倍になっていることを説明できるほど、網羅的に推測しているわけではありません。 あらゆる組み合わせに目を向け、データに物語を語らせることができれば、何が起きているのかを詳細に理解することができます。 アスリートとコーチに同じ道を歩ませることができるのです。 そうすることで強固な信頼関係を築くことができるのです。

15年、本当に長い道のりでした。 エリートスポーツの世界では、怪我を減らし、パフォーマンスを向上させることが重要な課題となっています。 今後、スポーツ界はどのような方向に向かうのでしょうか?

エリートスポーツに携わるすべての人が、このようなツールやソリューションを使って、情報を活用し、インテリジェンスを得ることができる時代になりつつあると認識しています。 その為、私はいつも「パフォーマンス・インテリジェンスの時代」と言い続けているのです。

スポーツ界にも「ビッグデータ革命」が到来していますが、アナリティクスによって変貌を遂げた他の業界とは異なり、スポーツ界はその点で大きなバラツキがあります。 私たちが考えるのは、あらゆるステークホルダーがデータとインテリジェンスを通じて最も重要な問題に、リサーチとエビデンスに基づいた方法を用いて答えられるようになることです。

私たちは、その歩みに貢献し、可能な限りリードし、パートナーである組織全体を次のステージに引き上げるための価値を付加できることに大きな喜びを感じています。

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They will be the first hurling team in the Gaelic Athletic Association to deploy iP and integrate medical, performance, and talent development data into one advanced operating system.

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