著:マーティン・ブハイト博士(Dr. Martin Buchheit)キットマンラボ パフォーマンスリサーチ責任者 並びにデーリックマクフ博士(Dr.Derek McHugh)キットマンラボ データサイエンス責任者
以前のブログ,で、エリートサッカーにおける負傷率について 、チームが大規模なリサーチの中で自分たちの負傷をより簡単に評価できるように、実用的な言葉で説明しました。 このフォローアップ記事では、エリートサッカーで遭遇する最も一般的な怪我であるハムストリングの張りの週/月あたりの「予想される」怪我の数について、さらなる洞察を提供します(Ekstrand, 2021)。
この特定の部位の潜在的な週/月の負傷回数を提供するだけでなく、これらの負傷に関連する実際の負担、すなわち損失日数も詳しく見ています(Bar, 2017)。 実際にパフォーマンスと経済性の両面からチームにとっての怪我の実際の負担について考えるとき(Eliakim, 2020)、本当に重要なのは選手の稼働率なのです。 全体的に、これは単に怪我の頻度や発生率よりも、チームを離れる日数によってよりよく示されます。
私たちは、入手可能なベンチマーク(Ekstrand, 2021; Whalan, 2019; López-Valenciano, 2020)と、複数チームの協力によるデータの両方を調査し、最良から最悪のケースまでのシナリオを提供することにしました。 負傷頻度(月間回数に換算)と損失日数に関する数値は、表1に示したとおりです。
表1 参加時間が1000時間に達するまでに必要な週数は従来通り推定。 一部のベンチマークを使用する際の負担の算出には、一般的な平均損失日数18日(Ekstrand, 2021)を使用。示された割合と回数のばらつきに注意すること。 これは、怪我の危険因子、トレーニング、試合への露出に影響する特定のチームの状況に関係していると思われます。
結論として、状況(大会の基準、週に1試合か2試合か、シーズンの期間、年齢や過去の負傷歴、などの選手プロフィール)によって大きなばらつきがあるようですが、チームは月に1~2回のハムストリングの負傷、年間(5~12ヶ月)の合計損失日数は150~350日と予想されます。
参考文献
- Bahr R, Clarsen B, Ekstrand J. Why we should focus on the burden of injuries and illnesses, not just their incidence. Br J Sports Med. 2018 Aug;52(16):1018-1021. doi: 10.1136/bjsports-2017-098160. Epub 2017 Oct 11.
- Ekstrand J., Spreco A., Bengtsson H., Bahr R. Injury rates decreased in men’s professional football: an 18-year prospective cohort study of almost 12,000 injuries sustained during 1.8 million hours of play. Br J Sports Med. 2021 Oct; 55(19):1084-1091. doi: 10.1136/bjsports-2020-103159. Epub 2021 Feb 5.
- Eliakim E., Morgulev E., Lidor R., Meckel Y. Estimation of injury costs: financial damage of English Premier League teams’ underachievement due to injuries. BMJ Open Sport Exerc Med. 2020 May 20; 6(1):e000675. doi: 10.1136/bmjsem-2019-000675. eCollection 2020.
- López-Valenciano A., Ruiz-Pérez I., Garcia-Gómez A., Vera-Garcia FJ, De Ste Croix M., Myer GD, Ayala F. Epidemiology of injuries in professional football: a systematic review and meta-analysis. Br J Sports Med. 2020 Jun;54(12):711-718. doi: 10.1136/bjsports-2018-099577. Epub 2019 Jun 6. PMID: 31171515.
- Whalan M, Lovell R, McCunn R, Sampson JA. The incidence and burden of time loss injury in Australian men’s sub-elite football (soccer): A single season prospective cohort study. J Sci Med Sport. 2019 Jan;22(1):42-47. doi: 10.1016/j.jsams.2018.05.024. Epub 2018 May 31.